製品安全小委員会の第9回会合の冒頭で挨拶をする経産省の松井商務流通審議官「日本の社会に製品安全の文化を広めていく」
製品安全小委員会の第9回会合の冒頭で挨拶をする経産省の松井商務流通審議官「日本の社会に製品安全の文化を広めていく」
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 ガス器具や暖房機器に対する保守・点検の義務化を議論している,経済産業省の諮問機関である産業構造審議会 消費経済部会傘下の製品安全小委員会の第9回会合が2007年6月28日に開催された。今回は同5月29日から始まった議論の「中間とりまとめ」の内容を検討した。大筋の合意が得られたため,中間とりまとめ案は数日中に公開され,パブリック・コメントの募集を1カ月行った後,2007年8月には正式な報告になる予定である。報告の内容は順調にいけば,「消費生活用製品安全法(消安法)」の再改正という形で今秋の国会で法制化される見込みだ(Tech-On!関連記事日経エレクトロニクス関連記事)。消安法は2006年12月に改正され,2007年5月14日に施行されたばかりである。

 小委員会はこれまでの議論で,ガス,電気製品などの特定の製品について,出荷後10年程度を目安にした定期点検の実施を,義務化する方針を固めてきた。指定される機器は専門家による設置工事を伴う設置型・組み込み型製品に限られる。メーカーらは製品を点検する体制を整える義務を負う。点検時期は製品の設計耐用年数を基にメーカーや輸入業者があらかじめ決め,製品の分かりやすい場所に提示する。また,製品の購入時に収集した情報を基に点検時期の到来をユーザーに通知するといった中間とりまとめの内容は,これまでの議論に沿っている。

 今回の中間とりまとめでは,具体的な対象製品として,以下の9品目が例示された。
・都市ガス用ガス瞬間湯沸かし器
・LPガス用ガス瞬間湯沸かし器
・都市ガス用ガスふろがま
・LPガス用ガスふろがま
・石油給湯器
・石油ふろがま
・FF式石油温風暖房機
・食器洗い乾燥機
・電気式浴室換気乾燥暖房機
いずれも経年劣化による事故の事例が実際に多いものが選ばれた。経産省の担当官は「新たに事故の多発が確認されれば,対象製品としてリストに追加する」とする。

PSE法の運用を改正


 今回の報告書ではまた,2001年4月に施行された電気用品安全法(PSE法)の運用の一部見直しを提案している。具体的には,2001年3月以前に製造された旧電気用品取締法の適合製品については,基準に適合し安全なことを示す「PSE」マークがなくても中古品として販売可能とする。従来の運用では,こうした製品を中古品として販売するためには,販売業者がPSE法の技術基準に適合するかどうかの試験を改めて実施する必要があった。