Product Safety Electrical Appliance & Materials

 電気製品の安全性を確保することを義務付け,漏電や感電などを減らすことを狙った法律のこと。正式名称は「電気用品安全法」である。

 規制対象となる製品は冷蔵庫や洗濯機,テレビ,ゲーム機などからACアダプタ,蛍光灯用ソケットまで450品目に及ぶ。新製品のほか,中古品も対象となる。製造事業者や輸入事業者は自主検査を実施し,安全性を確認した上で「PSEマーク」を製品に付けて販売しなければならない。これまで国が行っていた認可を民間企業に委ねる「規制緩和」の一環とされる。

 そもそもPSE法は,1999年に電気用品取締法(旧法)から改正されたもので,2001年4月1日に施行された。この際,旧法に基づく表示を付けて市場に流通している規制対象製品については,期間を限って販売を認めた(図1)。

 PSE法では,リサイクル事業者なども届け出を提出することで「製造事業者」になり,中古製品がPSE法の技術基準に適合していることを確認できれば,製品にPSEマークを付けて販売できるようになる。ただし,1000Vもの電圧をかけて絶縁耐力試験を実施する必要があり,それ自体が危険といった声がある。

 この法律を巡っては,2006年4月の本格施行を控えた2月ごろから,「中古の電子機器が売買できなくなる」として施行に反対する声があがり始めた。リサイクル事業者は「経済産業省がPSE法の周知を徹底しなかったため,今まで同法の存在を知らなかった」として,PSE非対応品の販売猶予期間のさらなる延長などを求めた。このほか,中古電子楽器などのいわゆる「ビンテージもの」も対象だったため,ミュージシャンなどが規制の見直しを求めて署名運動を展開した。

 これらの動きを受けて経済産業省は,中古品については事実上PSEマークを不要とすることを決めた。マークの取得に必要な漏電検査機器などが中古品業者に行き渡るまでの間は,「業者が客に中古品をレンタルした」と見なすという。

図1 PSE法の対象製品と販売猶予期限
図1 PSE法の対象製品と販売猶予期限日経エレクトロニクス2006年3月27日号より抜粋)

<更新情報>
2006年3月24日の経済産業省の発表を受けて,文章を加筆しました。