2007年3月23日に日経エレクトロニクスが入手したApple TVを分解した。Mac Miniよりも複雑な構造になっているのではないかと想像していたが,予想外にシンプルな作りで簡単に分解することができた。
まず底面のゴムをめくると,各隅にそれぞれトルクス・タイプのビスが止められている。これを外すだけで,簡単に底面のパネルを取り去ることができた(写真1)。ざっと見て目立つのは,基板中央に鎮座する冷却ファンと,底面側にあるHDDだ。HDDは富士通製。冷却ファンの隣には無線LANモジュールがあり,そこから上面パネルに向かって青と黒の線が伸びている。アルミ板で仕切られた反対側に,アンテナが2本張ってあるものと推察される。
プリント基板はすべてトルクス・タイプのビスで固定されている。1本だけ,ドライバーの軸が細くないと差し込めない個所があるが,それ以外は割と簡単に外せるものばかりだった。プリント基板を取り出すと,筐体が放熱フィンを兼ねた設計になっていることが分かる(写真2)。
一方,プリント基板上には,大きく四つのチップが搭載されている。米Intel社製のチップが3個(マイクロプロセサとチップセット)と,米NVIDIA社のグラフィックスLSIである。熱伝導グリースを塗っていないチップの一つには,「0G82945GUXL」と印刷されており,82945Gチップセットのノース・ブリッジの部分であると見られる。もう一つは判別が不能だが,おそらくはサウス・ブリッジと考えられる。
グリースを塗ってある二つのチップが,マイクロプロセサとグラフィックス・プロセサ(GPU)である。GPUには「GF-GO-7300U」と印刷されており,GeForce Go 7300と見て間違いないだろう(写真4)。もう一方のチップは「INTEL」表記の後に,「'04」の表記が見られる。事前の噂ではDothanコアのチップと言われていたが,Dothanコアのチップにも同様の表記をしているものがあり, Pentium Mである可能性は高そうだ(写真5)。