携帯型音楽プレーヤー「Zune」
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 米Microsoft Corp.は,同社の携帯型音楽プレーヤー「Zune」を正式に発表した(Tech-On!関連記事発表資料)。30GバイトのHDDや無線LAN,3型の液晶ディスプレイ,FMチューナーを備え,「2006年のホリデー・シーズン」に米国で発売する予定である。価格は未公表。通常米国のホリデー・シーズンは遅くとも11月末に始まる。Zuneに加えて,同社は「Zune Marketplace」と呼ぶオンライン音楽配信サービスも開始する予定である。

 Microsoft社は,ゲーム機「Xbox」の責任者だったDesign and Development担当Vice PresidentのJ Allard氏を,Zune事業の担当にした。同氏は「デジタル音楽革命は始まったばかり。我々は単なる携帯機器ではなく,アーティストとファンを近づけたり,ユーザーが音楽を見つけ,人々とつながる,新しいプラットフォームを提供する」と語った。今回発表した携帯型音楽プレーヤーは,Zuneプラットフォームの最初の製品である。今後Microsoft社は,資金と時間をかけてZuneプラットフォームを育てていくという。同社が2006年7月に開催した金融アナリスト向けの会議で,Microsoft社のEntertainment and Devices Division担当PresidentのRobbie Bach氏は,「この市場で最も重要なのは,消費者に優れた体験を提供すること。これは,まだ実現されていない。我々は今後3~5年間で数億米ドルをZuneに投資する」と発言した。同氏によれば2007年から,米国以外の市場でもZuneを販売する予定という。

 Microsoft社は,Zuneの無線LAN機能を特に強調する。この機能を使ってユーザー同士が積極的に交流する環境を育てたいという。無線LAN機能の利用例の一つとして,Zuneのユーザーは他のユーザーのZuneと無線で接続し,曲やプレイリスト,写真などを共有することができる。曲を共有して受け取った場合,ユーザーは3日間無料でこの曲を3回まで再生できる。この曲を気に入れば,ユーザーはZune Marketplaceから購入できる。Zune Marketplaceは曲ごとの販売のほか,定額のサブスクリプション(会費)方式で,ユーザーが音楽をダウンロードし放題になるサービスも用意する。

 Zuneは符号化方式として,Windows Media Audio(WMA)以外にMP3やAAC(advanced audio codec)に対応する。動画も再生でき,Windows Media Video(WMV)以外に,MPEG-4およびMPEG-4 AVC/H.264形式のファイルを扱える。JPEG形式の写真も表示できる。映像を表示するときは,本体を縦にしても横にしてもいい。本体の色として,黒,ブラウン,白を用意する。

 Microsoft社はZuneの発売と同時に,Zune向けの周辺機器も販売する。Zuneをテレビに接続するための「Zune Home A/V Pack」は,ドッキング・ステーション「Zune Dock」や接続ケーブル「Zune A/V Output Cable」などから成る。Zuneを操作するリモコン「Zune Wireless Remote」も含む。自動車で使うための充電器入り「Zune Car Pack」,ACアダプタや高級イヤホンなどを含む旅行向けの「Zune Travel Pack」もある。これらの価格も未公開。本体とのパック販売のほか,単品での販売もする。他社も,Zune向けの周辺機器を用意している。Microsoft社によると,現在米Belkin Corp.や米Harman International Industries, Inc.,スイスLogitech International S.A.などを含む13社が,製品を投入する予定という。

●この記事の第一報はこちら:Microsoft,携帯型音楽プレーヤ「Zune」第1弾を発表