市内の道路。コンパクト・カーが目立ちます
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皆,軽装です
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パウリスタ大通りです
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警察の派出所があちこちに
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ビル内には割烹料理のお店も
ビル内には割烹料理のお店も
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 南米経済の中心地といわれるサンパウロ。大手電機メーカーの南米拠点も集結しています。まずは日本の家電メーカーの現地法人を取材するべく,市内へ入ります。

 サンパウロは海抜800mの高原地帯に町が広がっているため,海岸沿いのリオデジャネイロに比較すると若干涼しいとか。最高気温でも平均27℃程度で,リオの33℃程度に比べて過ごしやすいと評判です。ある家電メーカーの方は「エアコンを使わない人も多い。白物家電の販売市場という意味では,ちょっとつらいんだけど」と言うほど。とはいえ時期はやはり夏。街行く人はTシャツなど軽装。アイスクリームを片手に歩く姿も目立ちます。

 市中心部のセントロから2kmほど南西にあるパウリスタ大通り(Av. Paulista)。高層ビルがひしめくビジネス街で,Tシャツ姿の若者とともにスーツ姿のビジネスマンも闊歩する道です。ここに日本国総領事館が入居する高層ビル(TOP CENTER)があるのですが,そのせいかビル内には日本のメーカーや商社の現地法人が多数拠点を構えています。今回の取材に当たって,拠点としてお世話になる日経新聞サンパウロ支局もあるため,まずはここに立ち寄ります。

ISDB-Tも有力候補

 空港もそうでしたが,ビル内の警戒も非常に厳重でした。オフィス・フロアに向かうエレベーターに乗るためには,身分証を兼ねた非接触ICカードか,暗証番号の入力によってゲートを通過する必要があります。エレベーター前ではスーツ姿の警備員が無線で連絡を取りながら通行する人に目を光らせています。ただし米国で連邦政府関連のビルに入る時の様な,荷物チェックやパソコンの起動チェックまではありません。テロの警戒というより,あくまで不審者の立ち入りを防ぐという意味合いが強いようです。

 ビルの地下街に食事に向かうと,そこには日本のレストランが並んでいました。居酒屋あり,カラオケ店あり。ネクタイ姿の日本人だらけの店もあって,ミニ日本人街という風情です。カレーライスの値段は,19レアル(1レアルは,現在約56円)でした。ブラジルには約140万人の日系人が住んでおり,サンパウロ周辺にはその約40%が居住しているそうで,日本のスーパーやレストランも多くあるとか。「地球の反対側ですが,日本人にとっては意外に住みやすいんです」という駐在員の話も聞きました。

 その後,付近の家電メーカーへ取材。現在ブラジルは,地上デジタル放送の伝送方式採用の議論が大詰めを迎えており,日本が誇る「ISDB-T」も有力候補となっています。もしISDB-Tが採用されれば,初の大市場への世界進出であるだけでなく,中南米の他国への進出の足がかりにもなります。「この3月を逃すと今度は大統領選挙一色になってしまい,政府内での結論がまた遅れてしまう。随分待たされたが,今回こそは決断してくれるはず」と,その家電メーカーは強く期待を込めています(取材内容は本誌で詳述します)。

 支局に戻った後,パウリスタ大通り沿いの携帯電話販売店に向かいました。このあたりにはVIVOやCLAROなど大手事業者の販売店舗があるほか,ショッピング・センターなどでも携帯電話機の販売コーナーがあります。さて,どんなメーカーの携帯電話機が店頭を賑わせているのでしょうか。次回は店頭の状況をお伝えします。