VIVOの店舗
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VIVOの店内は広々
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「10X」や「6X」と記載されている
「10X」や「6X」と記載されている
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TIMの店舗
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人気のあるRazr V3
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「その首から提げているケータイは,目立たないように外したほうがいいです」
 サンパウロの町へいざ取材に出ようと意気込むと,現地駐在員の方に即座に忠告を受けました。高価なものを持っていると,路上強盗に狙われるというのです。現地の方も,常に周りを注意しながら歩いているとか。万一に備えて細心の注意を払えということでしょうが,今一歩治安面での不安は消えないようです。

 とはいえ,外に出なければブラジルの空気はつかめません。まずはサンパウロ支局近くの携帯電話事業者VIVOの販売店に向かうことにしました。VIVOはブラジル最大の携帯電話事業者で,Telefonica Movilesが出資しています。方式はCDMA。ブラジルの携帯電話事業者で唯一,第3世代携帯電話方式の実験を進めている事業者です。

 支局を出て東に向かいます。それにしてもサンパウロの人の歩くスピードも結構速い。ある地元の人は「パウリスタは歩くのが早くせっかち。カリオカはその反対」と言っていました。パウリスタはサンパウロに住む人達のことで,カリオカはリオデジャネイロに住む人々の呼称です。何かにつけて比較しあうところがあるようです。

「10X」という文字が


 東に数分歩くと,「VIVO」と大きな看板をつけた店が現れました。中に入ってみると,思いのほか広いスペースに圧倒されます。しかも内装もきれいでおしゃれな雰囲気が漂います。店内ではメーカーごとに携帯電話機が陳列されていて,入ってすぐ右側に韓国Samsung社が,そして左側には韓国LG社の製品が並びます。この2社はどこへ行っても目立つところに陳列されている印象があります。それだけ費やしている広告宣伝費も高いのでしょう。その奥にフィンランドNokia社と米Motorola社があります。

 各端末の横には価格のほか,「10X」という文字が。10回払いという意味です。ブラジルではほとんどのユーザーが分割払いで購入するそうで,そのせいか分割払い時の金額のほうが大きく見やすく記載されています。

 端末の価格も2種類あります。利用料金を月々一定額前払いするプリペイド型と,後払いの2種類です。ブラジルでは80%以上のユーザーがプリペイド型です。一人当たりの利用額も小さく,携帯電話事業者の収益が上がりにくい要因となっています。携帯電話の加入数自体は2005年末時点で8600万と言われており,2006年にも1億を突破するという見方も多いのですが,こうした背景もあり携帯電話事業者の収益性は今ひとつという状況が続いているそうです(このほかの背景など含めて本誌で詳述します)。店頭では,後払いの方の端末購入価格を割安にすることで,プリペイド型ユーザーを後払いに移行させようと必死のようです。

 次に第3位の事業者であるTIMの店舗に。こちらはGSMです(Telecom Italia Mobile)。こちらも「10X」や「6X」という文字が躍ります。店員に最も人気のある端末を聞くと米Motorola社の薄型端末「Razr V3」を挙げました。理由は「かっこいい」からだそうです。Razrは米国でも非常に高い人気がありますが,南米ブラジルでも同様のようです。

 携帯電話販売店をひとしきり回った後,今度は家電販売店に向かいました。次回はその店頭の様子をお伝えします。