空港の出口で待ち受ける人たち
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ホテルの部屋には液晶テレビが
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 成田から7時間半でシンガポール。別の便に乗り継いでさらに5時間。飛行機は漆黒の闇の中にオレンジ色のライトで照らされた,インディラ・ガンジー空港の滑走路に降り立ちました。空港を出ると,ムッとした空気と燃料のような匂いが体にまとわりつきます。その瞬間,インドに来たことを実感しました。学生時代に旅行して以来,14年ぶりの感覚です。

 今回の目的は,BRICsの一角として成長著しいインドのエレクトロニクス市場と,エレクトロニクス関連メーカーの取材。インドで生活する人々にとって,携帯電話機や薄型テレビといった民生機器は,どういった存在なのでしょう。日本メーカーの製品はどれくらい人気があるのでしょうか。

 飛行機を降りる前から気づいたのは,携帯電話機の普及でした。飛行機がゲートに到着し,ベルト着用のサインが消えるや否や,周りにいた乗客たちが携帯電話機を取り出して電源を入れ始めます。見たところどれも,手のひらに収まってしまうほど小さく,スタイリッシュな機種ばかりでした。空港からホテルに向かうタクシーのドライバーも携帯電話機を持っています。仕事の連絡を受けるために,もはや必需品となっているのだとか。彼が持っているNokia製の機種は,中古で買ったもの。1000ルピー(約2500円)だったそうです。

 ホテルにチェックインして部屋に入ると,まず目に止まったのは壁にかかった液晶テレビでした。その下には厚さが5cmほどしかないDVDプレーヤがあります。どちらも韓国Samsung Electronics社のものでした。Samsung社は韓国LG Electronics社と並んで,インドのテレビ市場で圧倒的なシェアを誇ります。ホテルに置いてあるのは,ひょっとするとプロモーション活動の一環なのかも知れません。

 明日はマーケットに行って,エレクトロニクス製品の販売状況をこの目で見てこようと思います。