図1:2005年度第2四半期決算と通期業績見通しを発表するNECエレクトロニクス代表取締役社長の戸坂馨氏(右)と戸坂氏を継ぎ同社社長に就任する取締役執行役員常務の中島俊雄氏(左)。
図1:2005年度第2四半期決算と通期業績見通しを発表するNECエレクトロニクス代表取締役社長の戸坂馨氏(右)と戸坂氏を継ぎ同社社長に就任する取締役執行役員常務の中島俊雄氏(左)。
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図2:第2四半期は23億円の赤字。売上は増加したが利益率の低下が響いた。
図2:第2四半期は23億円の赤字。売上は増加したが利益率の低下が響いた。
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図3:2005年度通期の業績見込みを下方修正,330億円の赤字を予測。
図3:2005年度通期の業績見込みを下方修正,330億円の赤字を予測。
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 NECエレクトロニクスは,2005年度第2四半期(2005年7~9月)の決算を発表した(Tech-On!関連記事1,図1,2)。売上高は対前年同期比13%減,対前期比14%増の1668億円,営業損益は対前期比75億円増の23億円の赤字となった。

 決算報告では同時に,2005年度通期(2005年4月~2006年3月)の同社の業績見込みを発表した(図3)。2005年7月に示した見通し(Tech-On!関連記事2)に比べて,売上高は600億円下方修正し対前年度比10.3%減の6350億円,営業損益は460億円下方修正し,同662億円減の330億円の赤字に転落する見込みである(通期の業績見込みについては,追って掲載する【決算詳報】を参照)。

 これを受け,同社代表取締役社長の戸坂馨氏は「自らの経営責任を明確にする」として,2005年11月1日付けで社長を退任する。新社長には,同社取締役執行役員常務の中島俊雄氏が就任する。

ゲーム機向けなどで売上増ながら利益率低減で赤字に

 第2四半期は,前四半期に比べ「民生用電子機器向け」,「コンピュータおよび周辺機器向け」,「通信機器向け」の主力3分野のすべてで売上が増加した。このうち民生用電子機器向けは,ゲーム機向けやデジタル家電の秋・冬モデル向けが好調だったことから売上高は対前期比36%の増加となった。コンピュータおよび周辺機器向けでは,大型LCDドライバやプリンターの秋・冬モデル向けが売上を押し上げ,同20%増となった。

 売上増にもかかわらず営業損益が赤字となったのは,売上高から変動費を除いた限界利益率が対前期比で3%下落したためである。その理由として同社は,(1)LCDドライバの需要の急増が,常にLCDドライバの総生産の約1/3を委託しているSiファウンドリ比率の上昇を招いたこと,(2)LCDドライバ向けなどの資材価格が依然として高く,製造コストの資材比率が下がらなかったことを挙げている。

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