QWERTY配列のフル・キーボードが付く
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キーボードを収納し,縦方向に持って使うことも可能
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 ウィルコムは,PHSと無線LAN機能を内蔵した携帯型情報端末(PDA)「WS003SH」を開発した。「W-ZERO3」の愛称で2005年12月上旬に発売する。端末の開発,製造はシャープが担当した。OSにはWindows Mobile 5.0を採用している(発表資料)。

 PHSによるデータ通信は,WS003SHとセット販売する本多エレクトロン製のPHSモジュール「WILLCOMコアモジュール W-SIM」(Tech-On! 関連記事)を専用スロットに装着することにより実現する。音声通話と最大128kビット/秒によるパケット交換方式のデータ通信が可能である。無線LAN機能はWS003SHに内蔵しており,IEEE 802.11b準拠で最大11Mビット/秒のデータ伝送ができる。連続待ち受け時間は約200時間,連続通話時間は約5時間。

 WS003SHのマイクロプロセサは米Intel Corp.の「PXA270」(Tech-On! 関連記事)で,動作周波数は416MHz。64MバイトのシンクロナスDRAMと128Mバイトのフラッシュ・メモリを内蔵する。ディスプレイはシャープ製の「モバイルASV液晶」を採用しており,3.7インチ型で画素数は640×480。筐体側面に画面表示の切り替えボタンが付いており,縦表示/横表示のいずれも可能である。miniSD規格のカード・スロットとUSBポートを備えるほか,背面には133万画素のカメラ・モジュールがある。外形寸法は幅70mm×高さ130mm×厚さ26mm,重さは約220gである。

 入力インタフェースはキーボードとタッチパネル。キーボードは筐体をスライドさせると現れる仕組みになっている。いわゆるQWERTY配列で,両手の親指で押して入力する。ソフトウエアは「Internet Explorer」「Word」「Excel」「PowerPoint」「Windows Media Player」の各モバイル版,メール・クライアント,PDFビューワ,Java実行環境「JBlend」などを内蔵する。

「一部ソフトはZaurusから転用」

 WS003SHの開発元であるシャープは,自社が販売する情報端末に多くの種類のOSを採用している。10月19日に発表したNTTドコモ向けの携帯電話機「FOMA SH902i」(Tech-On! 関連記事)ではSymbian OSを,PDA「Zaurus」ではLinuxを,それぞれ用いている。同社では情報端末におけるOSの選定について,「今回はウィルコムおよび米Microsoft Corp.との共同企画商品ということもあり,Windowsを採用した。一概に情報端末といっても多機能の機器から単機能の機器までいろいろあり,ユーザーによる使われ方もさまざまである。機器ごとにどのOSを採用するのが最も効率が良いか判断していきたい」(同社 代表取締役専務 情報通信事業統轄の松本雅史氏)とした。

 WS003SHでは,一部のアプリケーション・ソフトウエアをZaurusから転用し実装したという。「電話帳ソフトウエアなどについては,Zaurus向けに開発したものを一部改造して今回の製品に採用している。OSが異なってもソフトウエア資源の効率的な活用には配慮している」(松本氏)。なお,ZaurusのOSについては今後もLinuxを継続していく方針という。