京セラは,デジタル・カメラ市場からの撤退を決めた。同社は2004年10月に開催した中間決算報告会の席で,2つあったデジタル・カメラのブランドのうち「京セラ」をやめて「CONTAX」に絞り込むと共に,携帯電話機などに向けた小型カメラ・モジュールの開発に経営資源を移していくことを表明していた( Tech-On!の関連記事1)。今回は,CONTAXブランドのデジタル・カメラの開発も中止し,事業領域をさらに絞り込んだ形である。既存のデジタル・カメラの生産は夏まで,販売は2005年末まで続けるが,新機種の開発は行わない。

 携帯電話機用カメラは,高画素化が進むと共に,光学ズーム機能を搭載し始めている。京セラとしては,既存の技術や開発スタッフを生かすことでビジネスを広げられるとみている。韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.や韓国LG Electronics Inc.は700万画素のカメラを搭載する携帯電話機を発表しており( Tech-On!の関連記事2 Tech-On!の関連記事3),デジタル・カメラを追い抜かさんばかりの高画素化が進んでいる。同社としては,ズーム時にレンズがモジュール外部にせりださないような機構を持つ製品などで競争力を出せると考えているようだ。