電子機器の製造・実装技術に関するアジア最大の展示会「ネプコン ワールドジャパン」が,2009年1月28~30日に東京で開催された。注目を集めたトピックは大きく二つある。一つは,受動部品やLSIを多層プリント基板の内部に埋め込む,いわゆる部品内蔵基板の用途が拡大していること。部品内蔵基板の用途は,これまで携帯機器の小型モジュールにほぼ限られていたが,今後は機器のメイン・ボードや,LSIパッケージを3次元的に積み重ねるPoPへの適用が広がる。もう一つが,Pbフリー化を成し遂げたはんだ業界による,「環境」への新たな取り組みである。はんだは今後,ハロゲン・フリー,リサイクル,省エネルギー,という三つの軸で進化する。

 「興味はあるけど,まだまだ使えない。コストや信頼性で不安がある」─。部品内蔵基板に対して,こうした印象を持つ機器設計者は少なくないだろう。実際,これまで部品内蔵基板の用途は,小型化・薄型化の要求が極めて厳しい携帯電話機向けモジュールなどにほぼ限られていた。

 今回の「ネプコン ワールドジャパン」では,この状況が変わり,多くの機器で部品内蔵基板が当たり前のように使われる方向が見えてきた。具体的には,機器のメイン・ボードや,3次元 LSIパッケージ技術のPoP(package on package)に部品内蔵基板の適用が広がる。