2008年2月,Blu-ray Discがついに次世代DVDの規格争いに勝利した。だが早晩,新興国の企業が安価な完成品を引っ提げて市場に参入し,急速にコモディティー化するだろう。避けられない「モジュラー化」の威力を前に,日本企業がBlu-ray Discの技術から,いかに利益を引き出すかを考察する。(浅川 直輝=本誌)

小川 紘一
東京大学 知的資産経営総括寄付講座 特任教授

 次世代DVDの標準規格をめぐるBlu-ray DiscとHD DVDとの争いは,Blu-ray Discの勝利で幕を閉じた。不毛な戦いを終えた今,Blu-ray Discの開発を主導した日本企業は,今こそ莫大な開発費の回収に乗り出したいと考えているだろう。