年間出荷数が10億台を超えるまでに成長した携帯電話機に対して,機器や部品メーカー,通信事業者などからの期待は加熱する一方だ。

 世界最大規模の携帯電話業界の祭典「3GSM World Congress 2007」では,市場の勢いを示すかのように,大手携帯電話機メーカーから機能満載の高級機種や,厚さ6mmを切る超薄型端末など新たな提案が相次いだ。高級ブランド「PRADA」と提携した韓国LG Electronics Inc.の端末や,動画投稿サイト「YouTube」の動画視聴および「DVB-H」受信機能を内蔵したフィンランドNokia Corp.の端末など,その内容は多様である。

 半導体メーカーからは,携帯電話機市場へ少しでも食い込もうという取り組みが熱い。例えば携帯電話機への搭載を目指す無線LAN用ICは,Bluetooth用ICとの統合が急ピッチで進んでいる。高級機種への採用を想定する。