「もっとサンプル数を増やして検証できないのか」「積層セラミック・コンデンサ以外の部品で同様の現象が発生する恐れはないのか」――。200人は収容できる会場を埋め尽くした技術者から寄せられる質問は,引きも切らなかった。2006年4月に電子情報技術産業協会(JEITA)が開催した「JEITA鉛フリー化完遂緊急提言,その後の活動報告会」での一幕である。RoHS指令施行を2006年7月に控えている上,フローはんだ付け装置の腐食問題やコネクタのウイスカ問題など,数年来の懸念事項の報告があることも手伝って,多くの技術者が聴講に集まった。

 その中で,技術者の関心を最も集めたのが積層セラミック・コンデンサの絶縁抵抗(IR)劣化問題である。これはPbフリーはんだで実装した積層セラミック・コンデンサのIRが劣化するという問題で,二つの条件が重なると発現するとされている。