多くの機器メーカーがコネクタやフレキシブル基板に発生するヒゲ状の金属結晶「ウイスカ」に頭を抱えている。ウイスカは長いものだと100数十μmまで成長する。これにより,ウイスカが端子間を短絡してしまい,信号不良を起こすためだ。ウイスカによる不具合が最近になって顕在化したのは,2006年6月に欧州で施行されるRoHS指令によって,メッキのPbフリー化が進んだためである。RoHS指令の施行を目前に控え,大半の機器メーカーはコスト増を覚悟して,ウイスカの発生しないAuメッキに切り替えつつある。こうした状況の中,パナソニック四国エレクトロニクスはドイツOrmecon Chemie GmbH & Co. KGと共同で,Auを使わずにウイスカの発生を抑えられるメッキ技術を開発した。パナソニック四国エレクトロニクスに,この技術の特徴と効果について解説してもらう。 (伊藤 大貴=本誌)

俵 文利
パナソニック四国エレクトロニクス
ビジュアルプロダクツビジネスユニット
エコプロセス技術プロジェクト プロジェクトリーダー