プリント配線基板の1種で,薄くて屈曲性がある。絶縁体には柔軟性の高いポリイミドを用いる。片面,両面,多層がある。多層品は比較的硬い。

 フレキシブル基板の特性を高めるため,材料そのものの改良が進んでいる。高周波へ対応するためには,絶縁体にポリイミドではなく液晶ポリマを使う。液晶ポリマはポリイミドに比べて比誘電率や誘電正接が低く,高周波でも損失を抑えることができる。銅張積層板の耐熱温度を高め,リフロー温度を高めてリフロー時間を短縮することができるようにした製品もある。

 フレキシブル基板の需要急増に伴い,原料のポリイミドが不足したり,価格が高かったりといった問題も生じている。これに対処するため,絶縁材にガラス・エポキシ樹脂やアラミド・フィルムを用いたものが登場した。ガラス・エポキシ樹脂は吸湿性が低く,寸法安定性に優れるといった特徴がある。屈曲性は劣るためヒンジ部分には使えないが,折り曲げて実装する用途には向く。アラミド・フィルムは薄くても強度を維持できるという特徴があり,屈曲性に優れている。可動部に利用する場合,弱い力で折り曲げることができるため,モータなどの消費電力を削減できる。また,多層にした場合も薄く折り曲げることができる。