中国華南地域は、電子機器組み立ての拠点であり、液晶パネルメーカー、タッチパネルメーカ-、スマートフォーンのセットメーカーなどが数多く存在する。この中心都市である深センで開催される電子機器の展示会には、多くの見学者が訪れる。2015年4月9日から3日間にわたって開催された「第3回中国電子信息博覧会(CITE 2015)」では、地元華南地区だけでなく中国各地から多くのパネルメーカーやセットメーカーが出展し、様々なディスプレーの展示を繰り広げた(関連記事1関連記事2)。

 本連載の前回では主に大画面ディスプレーの動向を詳解したが(関連記事3)、スマートフォーン(スマホ)向けやウエアラブル機器用のディスプレーに関しても数多くの展示があり、大画面ディスプレー以上に激しい競争が繰り広げられていた。目を引いたのは、今後の中小型ディスプレーの主要な技術として期待される低温多結晶Si(LTPS)や有機EL(OLED)を使った製品が数多く見られたことだ。中国メーカーの技術力向上のスピードは速い。現在は技術的に先行している日本・韓国・台湾のメーカーを、短期間に脅かす存在になっていくだろう。