中国のディスプレー産業は、ここ数年で急速に立ち上がりつつある。特に、中国南部の華南地区は、パネルメーカーやセットの組み立てメーカー、スマートフォーンのセットメーカーなどが集結する電子産業の中心地域である。この中心都市、深センで2015年4月9日から3日間の会期で開催された「第3回中国電子信息博覧会(CITE 2015)」の状況を数回に分けてレポートしながら、中国ディスプレー産業の動向を分析していく。

大画面・高精細の頂点に立ったBOEの110型8K

 中国BOE Technology Group社が今回初めて展示した110型8Kの大画面・高精細液晶ディスプレー(図1)には、大くの見学者が見入っていた。BOE社は、これまでにも98型8Kディスプレー(関連記事1)を披露していたが、今回はそれを上回る大きさであり、現状で実現できる最大サイズかつ最高解像度の液晶ディスプレーである。

図1 BOEの110型8K液晶パネル
画素数は7680×4320、コントラスト比は1000対1、色域はNTSC比72%、パネル透過率は3.4%、輝度は600cd/m2、消費電力は2000W、応答時間は8ms。
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 BOE社は、この他にも110型4K液晶パネルも展示した(図2)。同社は98型8Kパネルを既に市場に出荷しており、大画面・高精細パネルの製品群をそろえつつある。

図2 BOEの110型4K液晶パネル
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