今回は、ソフトバンク人型ロボット「Pepper」の分解に関するコラム「Pepper解体新書」が多く読まれました。ランキング入りした20本中の11本がこのコラムの記事(目次含む)です。2015年6月19日から始まったこのコラムの記事は、「Pepperがやってきた」編の5回と「Pepperを分解した」編の5回で構成されているので、これら全てがランキング入りしたことになります。

 中でも最も読まれたのが、「Pepperを分解した」編の初回である「Pepperの分解を開始! 軽妙なトークの出どころを探る」。それまで到着の軌跡や動作検証などを紹介してきた同コラムの本題が始まった回です。

 Pepperの頭部を胴体から分離して、その外装部品を苦労して外し、内部に組み込まれている基板などが姿を見せる---ところまでを多くの写真を交えながらレポートしています。その後、計6回に渡ってレポートは続き、内部に搭載されているさまざまな部品を明らかにしながら、最終回では「もう昔には戻れない」状態になってしまいます。

 同コラムでは番外編として、動画コンテンツ「ペッパーがバラバラにされていく様子を動画で撮ってみた」も掲載しています。Pepperの分解と内部構造を数分で把握できるので、まずはこれを見てから記事を読めば理解度が増すかもしれません。

 もう1つ、今回のランキングで目立ったキーワードが「墓石」です。5位の「簡素な墓石が示す、誇りに満ちた孤高の精神」と20位の「墓石には“宇宙の設計図”が刻まれた」と2本の記事がランクインしました。いずれも、コラム「科学者の魂を探して」の記事で、京都大学大学院総合生存学館(思修館)の山口栄一教授が執筆しました。

 前者はルイ・ドゥ・ブロイ、後者はマックス・プランクという物理学者について書いたもので、サブタイトルはそれぞれ「不当に過小評価されてきた天才」、「凡庸をめざした革命の先導者」です。なぜそう呼ぶのかが、それぞれの墓石を引き合いに探られています。

 2015年3月から同コラムを担当している山口教授は、その初回「創発と恋心に導かれ、ぼくは物理学者の墓を巡る」で墓巡りの理由を紹介しています。「科学は、道具ではない。文学や哲学と同様、自分を高めるために学ぶのである」という同コラムの趣旨に書かれている文章の意味が、私にもだんだん分かってきたような気がしています。