本誌はことし、「シリーズ・強い工場」と題して、日本の製造業、そしてその象徴である工場を応援するプロジェクトを推進しています。読者の皆様には、「シリーズ・強い工場」というロゴが付いた記事が随所にあるので、お気付きいただいていることと思います。本号の特集1「スゴい最先端工場」は、1月号の「12人の鋼の工場長」に続く、同シリーズの大型特集第2弾です。

 では一体、何がスゴいのか――。それは、建物や施設です。工場というと、とかく建物の中にある生産ラインや生産設備などに目がいきがちですが、我々編集部はあえて建物自体や生産ライン周辺の施設に注目しました。

 もちろん、これには理由があります。新興国をはじめとする海外生産が当たり前になってくる中、国内工場の役割が2極化してきました。最先端の生産技術を開発し、全世界の生産拠点に展開するマザー工場としての役割と、新興国などでは造れない日本ならではの製品/部品を製造する工場としての役割の2つです。

 特に最近は後者の動きが目立ち、その役割を果たすべく、メーカー各社が工場にスゴい建物やスゴい施設を導入し始めています。とんでもなく高い精度を出すための「地下工場」、半導体ではなく建機なのに「超クリーン工場」などなど、特集1でお確かめください。

 続く特集2は「タブレット型からノート型へ アイデア満載のPC変形機構」です。「Windows 7」の後継として開発された「Windows 8」はご存じの通り、PC(パソコン)とタブレット端末用のOSです。これに伴い、PCメーカーはこぞって、タブレット型にもノート型にもなるPCを商品化しました。特集2では、その変形機構を徹底解説しています。

 担当した中山記者によれば、ある取材先で「変形機構だけに絞って、これだけ長時間取材されたことはない」と驚かれたとか。普段何気なく使っているPCですが、聞けば聞くほど、そこにはメカ設計者の知恵と工夫が詰まっています。「なるほど」と感心して読めること請け合い。どうぞ、本誌60ページを開いてみてください。