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HOMEものづくり設計革新設計力強化のための“もの・ことづくり”プラットフォーム「P3LM」  > 第8回・もの・ことづくり企業のあるべき姿とPLMの現実

設計力強化のための“もの・ことづくり”プラットフォーム「P3LM」 

第8回・もの・ことづくり企業のあるべき姿とPLMの現実

  • 坂井 佐千穂=SCSK株式会社 製造エンジニアリング事業本部 営業推進部 シニアコンサルタント
  • 2012/06/13 12:00
  • 1/4ページ

 これからの国内製造業が目指すべき方向は、得意分野である技術イノベーションを進化させつつ、最終的な価値提供である“もの・こと”のいずれかのパターン(本コラム第6回の表1)において、関係する技術・プロセス・プレーヤーなど多様な要素の新結合(“イノベーション”)を継続的に起こせるようにすることであり、そのためには企業として「川上力」の強化をすることが重要である。前回は、その強化戦略の代表例として自前(自社)主義にとらわれないオープン・イノベーションの考え方を提言した。さらに、戦術としてモジュラー型アーキテクチャが有効と考えられることも述べた。

 今回は、企業の立場で目指すべき姿として考えられる「真のグローバル企業」のイメージを提起しながら、そうなるための要件を挙げて、それが「川上力の強化」とつながっていることに触れたい。さらに、本コラムにおけるもう一つの視点であるPLM(Products Lifecycle Management)との関係を述べていこうと考えている。PLMについては、今回は「今までのPLM」を要約し、次回以降「これからのPLM」を提案していくこととしたい。

“もの・ことづくり”企業が目指す「真のグローバル企業」

 ここでの「真のグローバル企業」のイメージは、一言でいうと「グローバルに、川上機能がローカル化できている企業」である。具体的には「従来、日本国内に囲い込んでいた川上機能(本コラム第7回で述べた『川上機能』は幅が広いが、特にここではマーケティングや企画・開発設計機能をイメージしていただきたい)として、主要国における子会社が独自にローカル(現地)人材を育成・運用できており、それを含めグローバルな制度対応やCI(Corporate Identity)を統括できる本社が(日本に)ある企業体」である。なぜこの「グローバルな川上機能のローカル化」が必要かというと、これからの成長が期待できる新興国市場に本当の意味で的確に対応するには、現地で生まれ、育ち、学び、現地の伝統や文化・宗教を理解した人たちが、自分たちの“もの・こと”をマーケティング・企画し、開発設計するべきと思うからであるし、その企業体が将来に向けて多様な“もの・こと”を準備できることになるからである。

 理想的には、その進化の過程のなかで、拠点の川上機能同士がモジュラー型アーキテクチャを通して議論し、収益最大化のためのグローバル最適な“もの・こと”を継続的に制御することが望ましい。さらに、それぞれの地域の特質を反映した、特徴ある“もの・こと”を世界の拠点から発信(開発・設計)して世界中の市場に展開できるという企業の可能性を高めることにもなる。

 こういった “真のグローバル企業”としてイメージできる企業としては、世界的には米General Electric、日産・ルノー連合、デュポンなどがあるが、日本企業も最近は新興国市場をターゲットにして、現地国への川上機能移管を始めつつあると感じている。というよりも、今まで国内に川上機能を囲い込みがちだった家電・ハイテク・電気・精密、産業設備機械、医療器械などは、この動きをしっかり加速していかないと、逆に資金力のある新興国企業に川上機能(あるいはブランド)を買収されて、日本企業としての根本がなくなってしまう恐れがあると思っている。


「真のグローバル企業」としての要件とは

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