初代ウォークマンが誕生,CMOS技術も興隆

日経エレクトロニクス表紙

 第2次オイルショックが日本を襲う中,ソニーが発売した「ウォークマン」の1号機が大ヒットしたり,「インベーダー・ゲーム」が大流行したりするなど,エレクトロニクス技術がライフスタイルを一新させる事例が相次いだのが1979年だった。この年最も読者に読まれた記事の1位は,9月17日号の「海外技術速報」。米社が試作した不揮発性メモリ,CMOS技術で製造したマイクロプロセサを人工衛星の姿勢制御に応用した記事などがある。2位は同じく9月17日号の「新製品:海外」。データ伝送速度400Kビット/秒の暗号用LSIなどを取り上げた。

 最も評価が高かった記事は,9月17日号の「高速A-D変換器の使用上の問題点を探る」。NHK総合技術研究所の技術者が,標本化周波数10MHzを超す高速A-D変換器をビデオ信号処理に応用する際の注意点について解説。非線形誤差や温度特性,経年変化などを踏まえたデータ・シートの読み方などを論じた。2位は,5月14日号の「MOS RAMの大容量化・高速化・低消費電力化への工夫を探る」。バイポーラ型RAMに性能面で追い付きつつあるMOS型RAMの動向を取り上げた。

1979年に読まれた記事 BEST 3
  1. 海外技術速報(9月17日号)
  2. 新製品:海外(9月17日号)
  3. 海外技術速報(9月3日号)
1979年に評価が高かった記事 BEST 3
  1. 高速A-D変換器の使用上の問題点を探る(9月17日号)
  2. MOS RAMの大容量化・高速化・低消費電力化への工夫を探る(5月14日号)
  3. 製造技術以外の問題点(3月5日号)

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本記事は,2006年7月に発行した日経エレクトロニクス創刊35周年特別編集版「電子産業35年の軌跡」から転載しました。内容は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります

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