リユースパネルを性能によってクラス分けする
リユースパネルを性能によってクラス分けする
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
[画像のクリックで拡大表示]
10年保証でリユース事業を強化
10年保証でリユース事業を強化
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 再生可能エネルギー関連事業を展開するネクストエナジー・アンド・リソース(長野県駒ヶ根市)は9月7日、太陽光パネルのリユース品(中古品)を10年間の出力保証を付けて販売すると発表した。

 同社は、2005年から太陽光パネルのリユース事業を手掛けており、これまでに3万枚以上の評価・検査データを蓄積している。加えて、新品パネルの製造・販売にも乗り出しており、パネルの検査や信頼性試験のノウハウを高めてきた。

 今回、こうした評価・検査ノウハウを活用することで、リユースパネルを判定・選別してクラス分けを行い、一定水準の性能を持つ製品について、10年間の出力保証を付けて販売できるようになったという。パネルに保証が付くことにより、発電事業のバンカビリティー(融資適格性)が向上し、ファイナンスを組みやすくなるメリットがある。

 一般的に太陽光パネルの寿命は20~30年と言われている。しかし、正確な寿命予測をするためには、様々な信頼性試験データや観測データなどを利用した総合解析が必要となるため、材料や製造工程が不明なリユースパネルに長期間の保証を提供することは、非常に困難とされていたという。

 10年保証付きのリユースパネルの販売を機に、こうした評価技術を「REBORN TECHNOLOGY(リボーン・テクノロジー)」と名付け、リユース事業のブランドとして打ち出し、展開を強化する。同社では、新品パネルの50~70%の価格でリユースパネルを提供している。同程度の出力を持つパネルをストリング(直流回路)として接続するなど、リユースパネルを使った太陽光発電所の設計ノウハウなども提供している。

 太陽光パネルの買い取りに関しては、2016年3月に、リユース・リサイクル事業を行うアールツーソリューション(東京都中央区)を設立した。ネクストエナジーのほか、市川環境エンジニアリング(千葉県市川市)、リサイクルテック・ジャパン(名古屋市)、近畿工業(兵庫県三木市)との共同出資となる。マテリアルリサイクル向けも含め、使用済み太陽光パネルを一括して買い取り、有効利用する一貫体制を構築している(関連記事)。