竣工した「富山新港太陽光発電所」
竣工した「富山新港太陽光発電所」
(出所:富山県企業局)
[画像のクリックで拡大表示]

 富山県企業局は、射水市海老江地区の石炭灰処分場に出力4.5MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「富山新港太陽光発電所」を稼働した。2015年5月に着工し、今年3月に稼働した。事業用地は、富山新港臨海工業用地の一画で、石炭灰の埋め立てが終了した土地の一部(6万9000m2)を活用した。

 総工費は約20億6000万円。電気設備の施工は、新栄電設(富山市)が担当した。立地地域は富山県内では比較的、積雪が少ないため、太陽光パネルの設置角は20度、設置高は110cmとした。石炭灰を処分した上に50cm覆土しており、地表面を造成できないことから、置き基礎を採用した。

 太陽光パネルは255W/枚の多結晶シリコン型を約2万枚設置した。パワーコンディショナー(PCS)は、750kW機を6台設置した。いずれも日本企業製で、製造企業名は非公開。年間約480万kWhの発電量を見込む。

 富山県企業局は、公営企業として電気事業を経営しており、19カ所の水力発電所を持っている。太陽光発電所の建設は、浄水場の遊休地を活用した「神通川浄水場太陽光発電所」(出力1.75MW)に続き、2カ所目になる。

 富山県では、県有地で太陽光発電を実施する場合、民間企業に土地を賃借する形を基本にしている。県内最大のメガソーラーである「SGET富山メガソーラー発電所」(出力7.7MW)は、民間企業が県有地を賃借して建設した(関連記事)。「富山新港太陽光発電所」は、石炭灰処分場という特殊な用地であることから、企業局が直営で建設・運営することになった。