インフルエンザのシーズンが近づくと盛り上がりを見せるウイルス対策などの除菌・消臭市場。電機業界では、「ほとんど殺菌効果が無い」という声を受けた時期も乗り越え(関連記事)、いわゆるイオン系放射物(オゾン)による除菌・消臭ユニットの外販が進んでいる。パナソニックの「ナノイー」は2015年11月30日に運行を開始したJR東日本山手線新型通勤電車(E235系)や、スズキの「アルトラパン」(2015年6月3日発売)などに、シャープの「プラズマクラスター」はLIXILの玄関収納用の消臭モジュール(2015年11月2日発売)や、ホンダ「FIT」のカーエアコン(2015年9月25日発売)、デンソーの「車載用プラズマクラスターイオン発生機」(2016年1月6日発売予定)などに搭載されている。

 この電化製品や業務用機器に向けた除菌・消臭ユニット市場に、2015年秋から参入したのが、二酸化塩素を使った除菌・消臭剤「クレベリン」の製造・販売を行う大幸薬品だ(プレスリリース)。同社は、これまでドラッグストアなどでポット形やスティック形のものなど複数種の製品を販売しており、すでに主婦などの一般消費者に対する知名度は高い。

大幸薬品「クレベリン」シリーズの主力製品「クレベリン ゲル」(左)と、ドウシシャの「クレベリン LED搭載 mood超音波式加湿器」(中央)、ケースに入った「クレベリン LED」のカートリッジ「LED-010」(右)。カートリッジ本体の外形寸法は高さ59.5㎜×幅46.0㎜×奥行24.0㎜。
大幸薬品「クレベリン」シリーズの主力製品「クレベリン ゲル」(左)と、ドウシシャの「クレベリン LED搭載 mood超音波式加湿器」(中央)、ケースに入った「クレベリン LED」のカートリッジ「LED-010」(右)。カートリッジ本体の外形寸法は高さ59.5㎜×幅46.0㎜×奥行24.0㎜。
[画像のクリックで拡大表示]

 ただし、従来の製品は化学反応を使って二酸化塩素を発生させており、開封すると二酸化塩素を発生し続けるもので、電化製品などとは結び付きにくいものだった。今回開発した「クレベリン LED」は、LEDと組み合わせることで二酸化塩素の発生をオン・オフできる。既に2015年10月発売のドウシシャの加湿器「クレベリン LED搭載 kamomeハイブリッド式加湿器」「クレベリン LED搭載 mood超音波式加湿器」の2製品に搭載している(プレスリリース)。大幸薬品は今後、冷蔵庫やエアコンなどの電化製品やトイレなどへの搭載を目指すとする。