東芝は、ハウステンボスから、自立型水素エネルギー供給システム「H2One」を受注したと発表した。2016年3月にオープン予定のスマートホテル「変なホテル」第2期棟に設置する。同システムの受注は初めてとなる。太陽光の余剰電力を水素として蓄え、燃料電池で電気に戻すことで、日照変化による出力変動を安定化させる。
今回、受注した水素エネルギー供給システムは、リゾート施設向けとして設計する。エネルギーインフラが十分に整っていない地域でも、再生可能エネルギーと水素を活用して、ホテル・リゾート施設内のエネルギーを自給自足できる。
例えば、日照時間の長い夏の間、太陽光で発電した電力の余剰分を利用し、水素製造装置で水素を製造して水素タンクに貯蔵しておく。貯蔵した水素を日照の減る冬期に利用して、燃料電池で発電することで、年間を通じてホテル１棟分の電力量を安定的に供給する。
今回、導入する「H2One」では、水素を高密度で貯蔵できる水素吸蔵合金を水素貯蔵タンクとして搭載する。従来の水素タンクと比べ、貯蔵タンクのサイズが10分の１以下になるため、敷地面積の限られる場所でも導入が容易になったという。
ハウステンボスの「変なホテル」は、第1期棟が2015年7月17日に開業し、第2期棟が2016年3月にオープンする予定。フロント、ポーター、クロークなどのホテル業務をロボットが担うなど最先端技術を積極的に導入し、環境にも配慮している。
東芝は、「H2One」をBCP（事業継続計画）モデル、リゾートモデル、離島モデル、事業所モデルなど、利用状況に合わせてシステム設計し、水素を再生可能エネルギーの蓄エネルギー媒体として活用する地産地消型ソリューションとして展開していく方針（関連記事）。
