[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]

 東芝は、川崎市と共同で設置を進めてきた水素エネルギー貯蔵システム「H2One」の実証運転を、2015年4月20日に開始した(関連記事)。災害時には約1週間分の電気と温水を300人に供給し、平常時には電力のピークシフトやピークカットに貢献する。実証運転の期間は、2015年4月20日~2021年3月31日。

 H2Oneは、太陽光発電設備(最大出力30kW)やLiイオン2次電池(容量350kWh)、水電気分解装置(最大水素製造量1m3/h)、水素貯蔵タンク(最大水素貯蔵量33m2、0.8MPa)、純水素型燃料電池(最大出力3.5kW)などを組み合わせた、自立型のエネルギー供給システムである。川崎市臨海部の公共施設「川崎市港湾振興会館(川崎マリエン)」と「東扇島中公園」に設置した。

 太陽光発電設備で発電した電力で、水を電気分解して水素を製造し、水素貯蔵タンクに蓄える。災害時などに、タンクから水素を取り出して、燃料電池の燃料として活用する。川崎マリエンは、周辺地域の帰宅困難者の一時滞在施設に指定されている。平常時は、水電気分解装置や蓄電池などを制御して、川崎マリエンで使用する電力のピークシフトとピークカットを実施する。

 東芝は、川崎市との間でスマートコミュニティの実現に向けた連携・協力に関する協定を2013年10月に締結した。