トヨタ、2030年の“事故ゼロ”目指す

トヨタ自動車専務役員の伊勢清貴氏
トヨタ自動車専務役員の伊勢清貴氏

 「2020年ごろに自動車専用道路向けの自動運転車を製品化し、2020年代前半には一般道での自動運転を実現させたい」──。トヨタ自動車専務役員でChief Safety Technology Officerを務める伊勢清貴氏は、自動運転車の導入計画を明かした。2017年6月末に開催した新型セダン「レクサスLS」の技術発表会で語った。

 新型LSは操舵制御による衝突回避や交差点での衝突警告など、多くの安全技術を搭載する(関連記事)。それでもトヨタは「将来の自動運転車につながる高度運転支援技術を搭載した車両」(伊勢氏)と、自動運転という言葉の使用を避けた。

 「運転者の誤解や過信を招かないように、自動運転という言葉は注意深く扱う必要がある」(同氏)と考えるためだ。運転者が事故を起こさないように注意を払いながら開発を進め、自動運転を2020年ごろに“解禁”させるという。

 新型LSに搭載した安全技術の一部は、次世代の普及安全技術として2018年からレクサスおよびトヨタの全車に展開する計画だ。見据える先にあるのは事故ゼロの世界。伊勢氏は安全技術を普及させることで、「2030年ごろには大半の事故を減らせるようになる」との見通しを示した。