本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 川崎重工業は、災害現場などでの利用を想定した2足歩行型ヒューマノイドロボット「Robust Humanoid Robot Platform(RHP)2」を2017年11月に発表した。同社は2016年8月から東京大学の稲葉・岡田研究室(JSK)と共同でヒューマノイドロボットを開発しており、RHP2はその成果である(図1)。

 RHP2は、2015年に開催された災害対応ロボットの国際競技会「DARPA Robotics Challenge(DRC)」決勝でのJSKの失敗を教訓に開発されたロボットである。当時、JSKは「JAXON」というロボットで参戦したが、バルブを回すタスクを行っている際、バルブを掴み損ねた右腕が空振りし、その勢いでバランスを崩して転倒した。左側面に向かって転倒し、左腕を地面に着いたため、金属製の左腕のリンクはクラックが入るなどして損傷。以後の競技では、この機体は使えなくなった。