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注目の東大発ベンチャーが目指す「AI医療」の世界

島原 佑基氏 エルピクセル 創業者 代表取締役

2017/01/25 04:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 医療関係者にとっても無視できない存在となりつつある人工知能(AI)。いち早く利用が始まると目されている領域の1つが、画像診断だ。AIはレントゲンやX線CT、MRIに続く画像診断の“第4の技術革新”。そう見る向きもある(関連記事)。

エルピクセルの島原氏
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 この分野で存在感を高めているのが、エルピクセル(東京都文京区)。東京大学のライフサイエンス分野の研究者たちが2014年に立ち上げたベンチャー企業だ(関連記事)。目下、国立がん研究センターなどの医療機関と、がんや脳血管疾患のAIによる画像診断支援システムの開発を進めている。放射線画像に加え、病理画像診断のあり方を大きく変える試みにも挑む(関連記事)。

 X線CT装置の設置台数が世界一であるなど、医用画像大国の日本。AIはそうした豊富な医療資源を生かす力となるか。エルピクセル 創業者 代表取締役の島原佑基氏に、同社の取り組みを聞いた。

編集部注)同社は日経デジタルヘルスが2017年2月6日に開催する「デジタルヘルスベンチャー祭り」にも登壇予定である。

(聞き手は大下淳一=日経デジタルヘルス、加納亜子=日経メディカル)


――米Enlitic社をはじめ、AIによる画像診断に挑むプレーヤーは数多く存在します。エルピクセルの強みとは。

 我々はAIの開発に当たって医師の知見を取り入れ、かなり踏み込んだ形での診断支援ができることを目指します。単純胸部X線(レントゲン)撮影のような2次元画像ではなく、X線CTやMRIなど3次元方向の情報を含む画像を対象にする点にもこだわっています。

 造影や呼吸の影響の補正技術など、時間軸方向の処理も取り込む。競争優位性を保つことが難しい領域ではなく、多次元で解析が難しい対象にあえて挑んでいるわけです。

 具体的な手法としては、ディープラーニング(深層学習)やアクティブラーニング(能動学習)、従来の画像処理技術など、複数の手法から最適なものを選んだり、組み合わせたりします。最先端技術であるディープラーニングに注目が集まりがちですが、ディープラーニングありきとは我々は考えていません。目的に応じて最適な手法を選びます。

ディープラーニングで脳動脈瘤を検出(図:本誌、画像提供:エルピクセル)
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 とりわけ重視しているものに前処理、つまりAIにデータを学ばせる前の画像処理があります。例えば脳動脈瘤の診断において血管の状態を見たいという場合、注目領域以外はノイズになるわけですから、こうしたノイズを除いて3次元モデルにする処理が重要です。

 こうした処理について、我々はライフサイエンス分野でノウハウを培ってきました。前処理の工夫により、AIに画像データを効率的に学習させ、判定精度を高めています。

日経デジタルヘルス Special

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