グリーベンチャーズ主催のイベント「Digital Health Meetup Vol.5」(2016年6月21日開催)。キーノート(関連記事)とパネルディスカッション(関連記事)に続き、最後にスタートアップを含む3社によるショートピッチが実施された。登壇したのは順に、ドリコス 代表取締役の竹康宏氏、WHITE CROSS 代表取締役CEOの赤司征大氏、グッドサイクルシステム 代表取締役の遠藤朝朗氏だ。

オーダーメードサプリの自動提供家電

 最初に登壇したドリコスの竹氏は、自社で開発した小型家電「healthServer(ヘルスサーバー)」を紹介した。「究極に手軽で、健康でいられる環境を目指して事業を立ち上げた」と切り出した竹氏。健康維持は面倒なものと位置付け、自分専用のサプリメント(サプリ)を自動配合して排出するデバイスとして開発した。

ドリコス 代表取締役の竹康宏氏
ドリコス 代表取締役の竹康宏氏
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 オーダーメードの自動配合には、もちろん対象人物の健康データを入力する必要がある。具体的には市販の腕時計型ウエアラブルデバイスなどを連携させて、生活習慣や運動習慣をドリコスのクラウドサーバーに蓄積。そのデータをもとに、対象人物が摂取すべきサプリを選定する。選定のレシピには管理栄養士、医学博士の監修を受けた。

 ウエアラブルデバイスの普及率を考慮して、スマートフォンアプリにも対応した。さらにはhealthServerに内蔵した生体センサーを通じ、指を機器の側面にタッチしてサプリを入手することも可能。サプリは粉末状でhealthServerから排出され、水などに溶かして飲むスタイルとなっている。

healthServerのデモ動画。その形状は四角い電気ポットに似ている
healthServerのデモ動画。その形状は四角い電気ポットに似ている
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 サプリそのものは、大手メーカーからの提供を取り付けているという。2016年7月からはスポーツジムと提携して実証運用を開始するなど、本格的な製品化に向けて着々と準備を進めている段階だ。今後の展開について竹氏は、「健診データ、生体データ、食生活データなどを扱う企業からも問い合わせがある。蓄積したデータを健康改善という価値に変換できるデバイスとして期待されている」と語り、BtoBtoCの事業展開の可能性も示唆した。