2016年6月21日に開催されたグリーベンチャーズ主催のイベント「Digital Health Meetup Vol.5」。キーノート(関連記事)に続き、「スタートアップと遠隔医療」をテーマとしたパネルディスカッションが繰り広げられた。

 パネリストとして登壇したのは、キーノートで講演した東京慈恵会医科大学 准教授の髙尾洋之氏と国立成育医療研究センター 臨床研究開発センター データ科学室 室長代理の矢作尚久氏のほか、ベンチャー企業からアルム 代表取締役社長の坂野哲平氏、ポート 代表取締役CEOの春日博文氏。モデレーターはグリーベンチャーズ インベストメント マネージャーの根岸奈津美氏が務めた。

パネル討論の様子
パネル討論の様子
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医師が考えるベンチャーの条件

 まず、モデレーターの根岸氏が医師である髙尾氏と矢作氏に「これから医療関連の事業をやりたいと考えるベンチャーには、どんな条件が必要か」を聞いた。

 これに対して髙尾氏は「すぐ動けるかどうか」というスピード感を求めた。また、医療機器の開発においては「医療機器として認められることがゴールではなく、保険収載されて世の中で販売されることがゴールである」とし、「そこまで計画を立てられるベンチャーなら成功する可能性はある」との考えを示した。

髙尾氏
髙尾氏
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 矢作氏は「パッション(情熱)」、「ストラテジー(戦略)」、「Made in Japan」を挙げた。「(髙尾氏の発言にもあった)保険収載は情熱がなければできない。途中で断念するケースが圧倒的に多いから」と説明。また、「戦略論はとても大事。何が自分たちのとって強みなのか、それをグローバルな視点で見てほしい」とした。