ピッチ優勝者と協業

 介護・地域包括ケア領域の開拓に当たり、インフォコムは「介護丸ごとIT!」と呼ぶ戦略を打ち出す。カルテ記載などの介護業務の効率化、バイタルデータや行動履歴の収集、見守りなど、介護のさまざまな場面でIoTやビッグデータ、AI(人工知能)といったITのノウハウを活用していく。

 これらの情報を集約した介護情報プラットフォーム「Care Platform」を構築。ゆくゆくは、これを帝人グループの地域包括ケア向け患者情報共有システム「バイタルリンク」と統合して「1つのプラットフォームに持っていきたい。介護領域ではデータを持っているところが強くなれると考えており、データベースの構築に力を入れていく」(竹原氏)(関連記事2)。

介護プラットフォームサービスを展開
介護プラットフォームサービスを展開
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 まだ企画段階ながら、「AIやIoTを用いた新しいヘルスケアサービスも構想中」(竹原氏)という。手術部門向けを中心に、医療機関・製薬企業向け製品のラインナップも拡充する。

 成長のキーワードとして、竹原氏は“共創”を挙げる。そのヘルスケア事業における事例として紹介したのが、デジタルヘルスコネクトだ。ヘルスケア領域のビジネスプランやサービスを競うイベントを、2015年3月以来、6回開催してきた。

 デジタルヘルスコネクトが「我々にとって重要な取り組み」だと竹原氏が話すのは、同イベントの登壇企業との協業に直結してきたからだ。第1回(2015年3月)で最優秀企業に選ばれたケアリンクスとは、介護記録分野で協業。第2回(2015年10月)の最優秀企業、Z-Worksとは介護IoT分野の開拓に向けて業務資本提携を結んだ(関連記事3)。このように「各回の優勝者と、事業化に向けて何らかの取り組みを行っている」(同氏)ことを、ヘルスケア事業の強化につなげていく考えだ。