ソニーが “体感型玩具”と銘打つ「toio(トイオ)」を、ネット技術者でありながらハードウエアにも詳しい新里祐教氏(GMOインターネット 特命担当技術分析官)に遊んでもらう企画の最終回。これまでの3回(第1回第2回第3回)では、市販タイトルや自分なりの遊び方を楽しんできた。今回は技術的な視点を中心に製品を分析し、専用コンソールでなくスマートフォン(スマホ)からの操作を試みる。

 最終回となる今回は、toioを技術的な視点で見て行こう。特に、toioの心臓部で小型ロボットの一種と言える「toioコアキューブ」(以下、キューブ)がどうやって専用マット上の自分の位置を同定しているのか、非常に興味が湧いてきた。

裏面を観察
裏面を観察
キューブの仕組みに興味が湧いてきたので、まずは観察してみる

 まずはキューブ自体を観察する。キューブの裏面はタイヤと、その奥に複数のギアが見える。そして充電端子、2個のLEDとその間にあるボタン、ON/OFF(電源)スイッチ、専用マット上の印字を読み取る光学センサー(カメラ)が右下にある。

 当初はキューブを分解して内部を調べようと思った。しかし、もし分解・組み立てに失敗したら、2個で協調動作するtoioを使って遊べなくなってしまう。この「遊べなくなるかも」という恐怖に打ち勝つことができず、分解は断念した。そのため、ここでは位置のトラッキングを実現しているであろう技術と、キューブが通信で利用しているBluetoothという2つの視点で見ていく。

 筆者が最初にtoioと出逢ったのは、日本最大のメイカーの祭典「Maker Faire Tokyo 2017」(2017年8月5~6日、東京ビッグサイト)で、toioが展示されている時だった。読者の中にも、同じ時にtoioに触れたという人もいるだろう。

Maker Faire Tokyo 2017で展示されるtoio
外部センサーなしで駆動するキューブに驚愕した