健康になればなるほど保険料が割引かれる――。こんな少額短期保険(通称、ミニ保険)を開発しているのがアイアル少額短期保険だ。2016年3月14日に開催された「ヘルスケア産業の最前線2016」(主催:経済産業省)の第1部「地域を支えるヘルスケアサービス事業者の事例紹介」では、少額短期保険を活用したヘルスケアのインセンティブに対する課題などについて、同社 代表取締役社長の安藤克行氏が講演した。

アイアル少額短期保険の安藤氏
アイアル少額短期保険の安藤氏
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 この少額短期保険は、経済産業省の2014年度健康寿命延伸産業創出推進事業で採択された「ウエルネスプログラムと連動した生命保険」で実施した調査検証を基に、プランが提示された保険商品である(関連記事、詳細な調査報告書はこちら)。

 少額短期保険は、生命保険、損害保険に次ぐ第3の保険業として誕生し、今年で10年目を迎える。文字通り少額で短期(1年間)の保険だが、生命保険や損害保険、医療保険なども扱える。現在、全国で84社が提供しているという。

 アイアル少額短期保険が現在開発している保険商品は、主に7大疾病(がん、心疾患、脳卒中、高血圧性疾患、糖尿病、肝硬変、慢性腎不全)による入院・手術費用を保証するもの。少額短期保険は毎年の契約継続時の健康状態に応じて、次年度の保険料に割引率(インセンティブ)を適用する。

 インセンティブの指標(健康度の評価項目)として現在は、BMI、血圧、血糖値、コレステロールの4項目としている。「割引対象となる項目は今後変わってくるだろうし、将来的には項目を増やしていきたい」(安藤氏)。

 しかし、インセンティブに関しては大きく2つの課題があると安藤氏は指摘した。