事業成果を報告するアイアル少額短期保険代表取締役社長の安藤克行氏
事業成果を報告するアイアル少額短期保険代表取締役社長の安藤克行氏
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 アイアル少額短期保険が代表を務めるコンソーシアムは2015年3月25日、東京・六本木で開催された「ヘルスケア産業の最前線 2015 in 東京」において、「『ウエルネスプログラム』と連動した生命保険の検証」と題して、健康になればなるほど保険料が安くなる保険商品の可能性を報告した。ヘルスケア産業の最前線 in 東京は、経済産業省がヘルスケア産業の創出を目指して実施した2014年委託事業の成果報告会である。

 報告したアイアル少額短期保険代表取締役社長の安藤克行氏によると、健康状態によって保険料が安くなる保険商品は海外ではすでに存在している。今回の事業では、海外の先行事例や国内のニーズを調査したうえで、日本版商品の「被保険者が健康増進に積極的に取り組める環境や仕組み」「保険商品の内容」を検討した。

 このうち海外先行事例の調査では、健康状態の改善に保険料の割引などのインセンティブを与えることで、「入院率の低下」「入院期間の短縮」「入院費用の減少」の効果が得られることが分かったという。保険会社にとっても「保険金請求率の低下」「保険金支払額の減少」「解約率の低下」といったメリットがあるとする。

 日本版の保険商品案としては、保険加入者が保険会社に健康状態を継続的に通知し、割引項目となるデータが改善したら、それに従って次年度の保険料を決定するプランが示された。割引項目はBMI、コレストロール、血糖値、禁煙の4つで、このうちBMI、コレストロール、血糖値が改善したらそれぞれ2%ずつ、禁煙が成功したら10~13%の割引率を適用し、合計の最大割引率は15%とする。保障内容は4大疾病(がん、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病)と診断された場合の一時金給付で、対象者は30歳から59歳までの男女。加入手続きはインターネットに限定する。

 同コンソーシアムにはアイアル少額短期保険に加えて、一般財団法人医療情報システム開発センター、日本医療情報システム総合研究所、NPO(特定非営利活動法人)楽市楽画が参加する。