iPhoneの部品発注調整や生産調整の流れは年明けも続いているが、これは概ね前回の本コラムで述べた見方に沿った動きと認識している。2016年の旧正月(春節)は2月8日だったが、中国に工場を持つ多くの部品・部材メーカーやEMS(組立事業者)が2週間以上も生産を停止したと見られる。過去には見られなかった規模の生産調整となった。

 2016年第1四半期(1~3月)のiPhone最終組立台数を当社は4000万台(前年比33%減、前期比46%減)と予想しており、これは前回から変更していない。前期比46%減は、iPhone 5s/5c発売後の2014年第1四半期(1~3月)における38%減を超える減少率である。

 機種別内訳は、6/6sが2400万台(2015年12月16日見通しは2500万台)、6 Plus/6s Plusが1000万台(同1200万台)、5s/SE(4型、新機種)が600万台(同600万台)である。ここで6/6sには300万~400万台程度の6が、6 Plus/6s Plusには100万~200万台の6 Plusが含まれる。5sも比較的堅調で、全体的に旧機種が生産数量を若干ながら押し上げている形だ。

 カメラモジュールや関連部品、ForceTouchなど、2015年第2~第4四半期前半に過剰に取り込まれた部品や部材に関しては、出荷が前期比55%以上の減少になるものもあると見ている。しかし、これらは在庫調整の終了タイミングも早いだろう。一方、液晶パネルやその他の電子部品は上記よりも出荷数量の減少幅は小さいものの、2016年3月末時点の在庫が過剰気味となっている可能性を排除できない。