電気2重層キャパシタの原理を使いながら,負極にLiイオンを添加することでエネルギー密度を向上させたキャパシタのこと。正極材料を用いた通常のキャパシタに比べてセルのエネルギーを3.5倍以上に高められる。正極は電気2重層による効果によって蓄電し,負極はLiイオン2次電池と同様にLiイオンの酸化還元反応に伴う蓄電効果を得ている。

 Liイオン・キャパシタのエネルギー密度が向上する理由は,セルの電圧と負極の静電容量が増加するためである。セルのエネルギー(E)は静電容量(C)とセルの電圧(V)から,E=1/2CV2と示せる。従来のキャパシタの電圧は2.5~3V程度だが,Liイオンを添加することで電圧が約4Vまで上昇する。

 一方,セルの静電容量は,正極の静電容量(C+)と負極の静電容量(C-)から,1/C=1/C++1/ C-と表せる。Liイオンを添加すると,負極に蓄えられる静電容量は従来の活性炭に比べて高まり,セル全体での静電容量は約2倍に増える。

図  Liイオン・キャパシタの蓄電の原理
図  Liイオン・キャパシタの蓄電の原理
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