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積層セラミック・コンデンサ,MLCCとは

セキソウセラミックコンデンサ
エムエルシーシー

2008/10/21 09:00
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multi-layer ceramic capacitor

 セラミックスの誘電体と金属電極を多層化することで小型・大容量化を図った,チップ型コンデンサ。口語では「(積層)セラコン」と呼ぶこともある。雑音を抑制する目的や回路定数を設定する目的などで,ほとんどのエレクトロニクス機器に搭載されている。例えば,携帯電話機1台当たりの搭載個数は100~300個である。

 特に数多くのMLCCが使われている用途が,(1)雑音の抑制と(2)電源供給の補助である。前者は,MLCCの高周波領域でのインピーダンスの低さを利用する。具体的には,LSIで発生した高周波の電源雑音を接地層へとバイパスさせる。こうして高周波の電源雑音をLSIの近傍に閉じ込め,基板全体に流出することを防ぐ。この役割で使われているコンデンサを,バイパス・コンデンサ,もしくはデカップリング・コンデンサと呼ぶ。後者は,LSIの動作状態が急変して電源電圧が変化した場合,電源回路からの電荷供給では不十分なときに電荷の供給を補助するものである。

 雑音の抑制や電源供給の補助に使われる場合,ESL(等価直列インダクタンス)を低減する目的で,MLCCをLSIパッケージのインターポーザ上や裏面のチップ直下に実装することが多い。雑音の抑制の観点からすると,高周波領域のインピーダンスをさらに低く抑えられる。電源供給の補助の観点からすると,LSIの電源電圧の変動に対する応答性を高められる。

 最近では,従来の小型品だけではなく,大型大容量品の開発も進んでいる。耐熱温度が高く,面積当たりの容量が大きいという特徴を生かし,車載インバータなどにも採用され始めた。

 現在,村田製作所,TDK,太陽誘電などの日本メーカーが大きな市場シェアを持つ。もともとは,米国企業が軍事・航空宇宙向けに開発したMLCCを後追いで開発するところから始まり,1980年代には民生機器への応用で米国勢に先んじることに成功した。さらに,コスト低減に向けて内部電極材料をPd(パラジウム)から,米国企業が失敗したことで当時「筋が悪い」といわれていたNiに変更することにも成功して,今日に続く強い立場を築いた。最近は韓国Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd.(SEMCO社)など,海外メーカーが台頭してきている。

 課題の一つとして,Pbフリーはんだとの相性が悪いという点がある。Sn-Zn系はんだは,Pbフリー対応の低温接合材料として期待されているが,MLCCによっては絶縁抵抗の劣化が生じてしまうことがある。はんだ中のZn成分がMLCCのNiめっき膜に入り込み,Ni膜を劣化させることなどが原因と見られる。


図 雑音の除去に向けた,平滑・デカップリング用積層セラミック・コンデンサの一般的な特徴 (画像のクリックで拡大)
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