intelligent parking assist

 トヨタ自動車が2003年9月に発表した新型「プリウス」に搭載した(Tech-On!の関連記事),縦列駐車や車庫入れ時のハンドル操作を補助する機構。

 ドライバーはクルマを停車させ,ナビのディスプレイに映し出された車両後方の画面で目標位置をカーソル操作で決める。そして後退し始めると,ステアリングが自動的に操作される。ドライバーは周囲の安全を確認しながらブレーキ操作をすればよい。

 IPAは,CCDカメラの画像データだけから距離を推定している。後退時などに物体の接近を知らせるセンサーは利用していない。唯一,リア・サスペンションのストロークから車高を計測するセンサの情報だけは利用している。これは荷物をたくさん積んで車高が下がると,画面上の白線の位置がずれてしまうため。画面上で数mmの違いが,実際の距離にすると数十cmの差になってしまうからだ。

 このシステムは,バック・モニタで駐車位置の目安を示してくれるアイシン精機の駐車アシスト・システムをベースに,電動パワー・ステアリング(EPA)とトヨタ製のソフトウエアを組み合わせたもの。IPA動作時のステアリング操作に電動パワー・ステアリングのアシスト用モータをそのまま使っており,ハードウエアの追加は必要なかった。

 なお,米国仕様のプリウスにIPAを搭載しなかったのは,米国は駐車スペースが広いため,需要がないとみてのことという。

IPAの操作画面
図1 IPAの操作画面
新型「プリウス」のIPAは,DVDナビやテレビ・チューナ,バック・ガイド・モニタとセットで23万円のオプションとして販売された。