low voltage differential signaling

 数100Mビット/秒以上と高速の信号伝送を実現するために,振幅を数100mVに減らした入出力信号レベルの仕様である。低振幅としたことで雑音の影響を受けやすくなるが,シングル・エンド伝送ではなく差動伝送にして解決している。

 LVDSはもともと,電子機器内部の入出力信号レベルとして一般的だったCMOS/TTLに比べて,信号線の本数を減らすことなどを目的に開発された。例えば,RGBの各階調数が6ビット~10ビットのビデオ信号を伝送するために必要な信号線数は,CMOS/TTLの20本~40本から4対(データが3対,クロックが1対)~6対(データが5対,クロックが1対)に削減できるようになった。

 LVDSの主な用途は,通信機器やPDP,液晶パネル向けのデジタル・インタフェースなどである。最近では,映像の色再現性の広さを謳い文句としたPDPテレビが,内部バスの信号線の本数を減らせるLVDSを採用する例が増えている。

 2004年秋には,入出力信号レベルの仕様にLVDSを採用しながら,信号線の数を従来より大幅に減らすことが可能なシリアル・インタフェース技術「V-by-One」を,ザインエレクトロニクスが開発した。従来のLVDSコントローラICでは別々に伝送していたデータ信号とクロック信号を多重化することなどで,1対の信号線でRGB各6ビット~10ビットのデータ伝送を実現する。映像信号を5m~10mといった少し離れた地点に伝送する用途を狙う。

各種入出力信号の仕様比較
図 各種入出力信号の仕様比較
2001年6月18日号より抜粋)