デバイス 半導体や電子部品を使い倒す
 

【SCRセミナー報告】インテルのIoT戦略(中)

インテル 取締役 兼 副社長執行役員 宗像義恵氏

日経BP半導体リサーチ
2014/07/09 00:00
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2014年3月に開催した日経BP社主催セミナー「世界半導体サミット@東京 ~IoT時代の半導体成長戦略~」から、インテル取締役 兼 副社長執行役員 宗像義恵氏の講演を日経BP半導体リサーチがまとめた。3回連載の第2回である今回は、500億台ものデバイスがインターネットに接続するIoT時代を実現するために鍵となる三つの技術要素などを紹介する。(第1回)(日経BP半導体リサーチ)
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IoT市場の規模


 複数の調査会社によるネットワークにつながる機器の出荷台数の推移からは、パソコンやスマートフォン、タブレット端末と並び、IoTが急速に伸びていることが見て取れる。

 一言でIoTといっても、非常に多くのアプリケーションの集積によって成り立っている。IoTは、パソコンやスマートフォンなどのような特定のアプリケーションでくくれるものではなく、細かいアプリケーションの積み重ねによって大きくなっている。従って、パソコンやスマートフォン、タブレット端末で持っていたものと全く違う戦略で臨まない限り、IoT分野でのビジネスの取り込みは難しいだろう。

 インターネットに接続されるデバイス数は2020年に500億台になるといわれる。この500億台という数字が持つインパクトを考察したい。

 パソコンは、1日の出荷台数が100万台といわれている。先ほども述べた通り、Intel社はパソコンを事業の中心に据えている。Intel社のマイクロプロセッサーの年間出荷数は3億6000個ほどであり、4億個には満たない。2013年はパソコンの出荷台数がやや落ち込んだので3億個を少し超えるぐらいだったが、これらからのパソコンの年間出荷台数は3億台程度だろう。

 市場に4~5年ほどパソコンが存在すると考えると、3億台×5年で、世の中に存在するパソコンは15億台となる。これからはタブレット端末も同じぐらい存在すると考えると、パソコンと合わせて30億台になる。スマートフォンは2013年の出荷台数が10億台といわれており、これもパソコンと同じサイクルで存在しているとすると50億台。つまり、パソコン、スマートフォン、タブレット端末を全部合わせても、100億台には満たない。しかし、先のデータでは、500億台がインターネットにつながるといっているのである。

経験したこともない変化が到来


 ここから、我々が経験したことのないような世の中がやって来るということを、皆さんと共有したい。恐らく、我々の会社の歴史においても経験したことのないような変化が、目の前に迫ってきている。

 そこで、500億台もの膨大な機器がつながったときに世の中はどうなるのか、そして何が大きなネックとなってしまうのかを、我々は考えなくてはならない。

 まず、それほど多くの機器を導入してつなぐだけの経済的な投資はあり得るのだろうか。これまで経験したことがないようなことに対して投資ができるのか。恐らく技術の進歩と端末が増えるスピードは速くなるが、それに伴って投資が増えるとは思えない。従って、我々に要求されるのは、いかに安いコストで新しい変革に対応できるかである。これが、サプライヤー側が考えなくてはならないことである。

 次に、パソコンの年間出荷台数の3億台に対してIoT市場が年間500億台になるとすると、Intel社一社ではこの市場に対して供給しきれないであろうことだ。Intel社も含めたすべてのメーカーに対して、供給能力が問われているのである。その供給能力には、高性能で低消費電力、しかも安心・安全なものを、いかに低価格で市場に送るのかという、経済的なメリットがなければならない。この経済性が担保されない限り年間500億台という数字は絵に描いた餅で、実現不可能であろう。

 もう一つはやはり、ネットワークにつながるためのインフラの問題である。今でも「LTEがつながらない」「無線なので接続が不安定だ」といった声があるのに、これだけ多くのデバイスが、特に無線でつながってきたときに、今存在している周波数帯域にそのデータ量を吸収できる容量があるのか。このネットワークの技術、特に無線の技術は、IoT社会を実現する上で非常に大きなポイントとなるだろう。

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