丸山不二夫氏
丸山不二夫氏
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 米Google社が主導する新しいスマートフォンの開発プロジェクト「Project Ara」。Project Araでは好みのスマホをブロックのように組み上げられる。枠になる「endoskeleton」に、液晶パネルやアプリケーションプロセッサー、ストレージ、カメラ、電池などの各種機能を搭載した「モジュール」を差し込む仕組みだ。

 2014年4月に開催された第1回に続き、2015年1月に開発者会議が開催された(関連記事)。構想段階にすぎなかった第1回から、第2回ではより具体的になるなど、新たな情報が明らかになった。Project Araに注目しているITの専門家は、第2回開発者会議をどう見たのか。Project Araに関する勉強会を開催している、早稲田大学大学院 情報生産システム研究科 客員教授の丸山不二夫氏に話を聞いた。(聞き手は根津禎、中道理=日経エレクトロニクス)

「コンシューマーからクリエーター(作り手)へ」――。これが第2回のProject Ara開発者会議の大きなテーマだったと思う。第1回は、地球上にいる60億人すべてにインターネット端末を行き渡らせるというメッセージを前面に押し出していた。今回は、作り手側へのメッセージを前面に押し出した。

 例えばモジュールの作り手に向けて、第2回開発者会議ではモジュールの参照デザインが複数発表された(関連記事)。中でも、医療系センサーを搭載したモジュールが多かったという印象を受けた。こうしたセンサーの多くがMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)で作られている。Project Araは、先進的なMEMSセンサーを搭載するのに適したプラットフォームになるのではないか。MEMSセンサーの進化は著しい。完成品であるスマートフォンに比べて、モジュール単体で提供できるProject Araの方が、その変化の速度に追従しやすいと思う。