神園 征・枕崎市長、オリックスの井上 亮社長 兼グループ最高経営責任者(CEO)、九電工の西村松次社長などが参加した竣工式(出所:オリックス)
神園 征・枕崎市長、オリックスの井上 亮社長 兼グループ最高経営責任者(CEO)、九電工の西村松次社長などが参加した竣工式(出所:オリックス)
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「枕崎市枕崎空港跡地第一発電所・第二発電所」(出所:オリックス)
「枕崎市枕崎空港跡地第一発電所・第二発電所」(出所:オリックス)
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かまぼこ状に勾配する滑走路にあわせて太陽光パネルを設置(出所:日経BP)
かまぼこ状に勾配する滑走路にあわせて太陽光パネルを設置(出所:日経BP)
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 オリックスと九電工は9月1日、鹿児島県枕崎市にある枕崎空港の跡地に建設した、出力8.218MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「枕崎市枕崎空港跡地第一発電所・第二発電所」の稼働を開始したと発表した。

 空港の跡地を活用したメガソーラーは、国内初となる。年間発電量は、一般家庭約2550世帯分の年間消費電力に相当する、918.59万MWhを見込んでいる。

 枕崎空港は、1991年1月に国内初の地域空港(コミューター空港)として開港したが、枕崎市は、空港の管理・運営における歳出超過累積額や、今後の市の財政、市民への負担を考慮し、2013年3月末に空港を廃港した。

 オリックスと九電工は、メガソーラーの建設に際して、空港ターミナルビルの環境教育用施設としての活用、敷地内への天文観測所の建設、メガソーラーの管理の一部を、枕崎空港の廃止後も存続している第三セクターの空港管理会社の南薩エアポートへの委託など、地域貢献に取り組んでいる。

 二つのメガソーラーに分けたのは、連系予定の特別高圧の送電網に、約5MWしか連系できなかったため(関連記事1)。

 発電事業者は、オリックスと九電工の合弁によるSPC(特定目的会社)のKクリーンエナジー(鹿児島県枕崎市)が務める。出資比率はオリックスが70%、九電工が30%。

 EPC(設計・調達・施工)サービス、O&M(運用・保守)は九電工が担当している。太陽光パネルは韓国ハンファQセルズ社製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製、架台はリヒテンシュタインのヒルティ製を採用した。

 空港の滑走路は、排水性を高めるために、短辺方向の中央部を盛り上げた、かまぼこ状になっている。今回は、こうしたかまぼこ状の勾配を残したまま、太陽光パネルを設置した。

 ヒルティ製の架台は、基礎に埋めた架台の下部と、太陽光パネルを支える部分を、水平方向には自在に、上下方向にもある程度、調整しながら固定できるために、こうした傾斜地にも対応しやすい利点があるという(関連記事2)。