決算説明をした東芝 代表執行役専務の久保誠氏
決算説明をした東芝 代表執行役専務の久保誠氏
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2012年度のセミコンダクター&ストレージ部門の業績内訳
2012年度のセミコンダクター&ストレージ部門の業績内訳
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セミコンダクター&ストレージ部門の四半期別営業損益
セミコンダクター&ストレージ部門の四半期別営業損益
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 東芝は2013年5月8日に開催した2012年度決算説明会において、セミコンダクター&ストレージ部門の業績の詳細について説明した(リリース説明会の資料関連記事)。

 2012年度のセミコンダクター部門の売上高は、対前年度比8%減の9029億円。この内訳は、ディスクリート(半導体)が同10%減の1507億円、システムLSIが同15%減の2232億円、メモリが同4%減の5290億円となっている。HDDやSSDなどを含むストレージ部門は同0.2%減の3952億円だった。

 2012年度のセミコンダクター&ストレージ部門の営業利益は、対前年度比231億円増の958億円となった。この内訳は、2012年12月に連結子会社化したマスク描画装置メーカー、ニューフレアテクノロジーの営業利益(2012年度決算に含まれる約3カ月分)が50億円弱、ストレージ部門が200億円強、その他が50億円強、残りのほとんど(約650億円)がメモリ(NANDフラッシュ・メモリ)となっている。なお、ディスクリートとシステムLSIの営業損益は「ほぼブレークイーブンだった」(決算説明をした東芝 代表執行役専務の久保誠氏)という。システムLSI事業は構造改革によって収支が改善している。

 また、2012年度のセミコンダクター&ストレージ部門の営業利益を四半期別に見ると、第1四半期が91億円、第2四半期が200億円、第3四半期が297億円、第4四半期が370億円だった。

 2013年度のセミコンダクター部門の売上高は、対前年度比9%増の9800億円を見込む。この内訳は、ディスクリートが同6%増の1600億円、システムLSIが同3%増の2300億円、メモリが同12%増の5900億円となっている。ストレージ部門は同13%増の4450億円を見込む。

 2013年度のセミコンダクター&ストレージ部門の営業利益は、対前年度比342億円増の1300億円を見込む。この内訳は、ニューフレアテクノロジーが200億円弱、ストレージ部門が100億円強、残りのほとんど(約1000億円)がメモリとなっている。ディスクリートとシステムLSIに関しては「少しでも利益を出したい」(久保氏)とする。

 セミコンダクター&ストレージ部門の設備投資は、2012年度が940億円だった。2013年度は対前年度比81%増の1700億円を見込む。この内訳は、(1)増産に向けた四日市工場第5製造棟 第2期の建屋投資、(2)1Ynm世代(10nm台の第2世代)への微細化投資、(3)東芝が次世代メモリの本命と位置付ける3次元NANDフラッシュ・メモリ「BiCS」への投資となっている。このうち、(1)と(3)に関しては市場の動きを見ながら投資時期を決めるとしているが、(2)に関しては「実現でき次第、投資を行う計画」(久保氏)である。1Ynm世代では今後、「TLC(3ビット/セル)の技術をどう立ち上げるかが大きな課題になる」(同氏)という。BiCSの量産開始時期は「2015年以降」(同氏)とした。