日経エレクトロニクス分解班では、Google社が2012年7月中旬に米国で発売したタブレット端末「Nexus 7」を入手した(Tech-On!の関連記事)。開発したのは台湾ASUSTeK Computer社。Android 4.1を採用し、米NVIDIA社の最新プロセサ「Tegra 3」(プロセサが4コア、GPUが12コア)を搭載している。
それでいて、フラッシュ・メモリ8Gバイトのモデルの価格が199米ドルと、コストパフォーマンスの高さが特徴だ。海外のオークション・サイトや並行輸入業者を利用すれば、日本でも送料込みで2万円台で入手できる。
重さは340gで、600~700gのiPadよりもかなり軽い。手に持った際にもはっきりと軽さが感じられ、「これなら持ち歩けそうだ」という感想を持った。タッチ・パネルの操作も軽快で、普段使い用のタブレット端末としては申し分ない。
カメラは前面のみで、背面カメラはコスト削減のためか省略されている。もっとも、タブレット端末で背面カメラを使うシーンはそれほど多くない。テレビ電話用の前面カメラさえあれば十分だというユーザーも多いだろう。
ただし、外見で安っぽさを感じる部分があった。各種の認証マークが、今にもはがれそうなシールに表示されていたのだ。はがしてしまうユーザーもいるに違いない。こうした「ゆるさ」はいただけない。
裏ぶたは、たいていのスマートフォンのように樹脂製の爪ではめ込まれているだけであり、簡単に開けることができた。スマートフォンでは、裏ぶたを開けたところに2次電池やSIMカード・スロットなどが位置し、その下に筐体背面部があるのが普通だ。しかし、驚くべきことにNexus 7では、この時点でL字型のメイン基板がいきなり顔を出した。ぎりぎりまでコストを削減するために、筐体を構成する部品を最小限にしているようだ。
興味深いことに、基板の上部中央には四角の穴が空けられており、その下の金属製フレームには使われていないねじ穴があった。いかにも背面カメラを取り付けられそうな構造だ。Nexus 7は、もともと背面カメラを搭載可能な端末として設計されているようだ。
裏ぶたの内側には、3種類のシート状のアンテナが貼り付けられていた。前から向かって左側が無線LANのアンテナ、右側がGPSのアンテナだ。中央にはNFC(near field communication)のアンテナが位置していた。おのおののアンテナは、バネ接点でメイン基板と接続されている。
(その2に続く)