(その2から続く)
いよいよ分解である。Nexus Qの上側の半球は自由に回るようになっており、音量ダイヤルの役割を果たしている。この半球は上に引っ張ることで取り外すことができる。
外側の半球を外すと、下にはさらに半球が存在していた。向かって左側には、正方形で板状の無線LANアンテナが貼り付けられていた。この内側の半球も、ネジを外すことで取り外すことができた。下からは、大型の電解コンデンサとトランスなどを搭載した電源基板が現れた。
内側の半球の内側には、六角形の小さな基板がはめ込まれていた。また、NFC用のシート状のアンテナも貼り付けられていた。円の一部を切り取ったような形状である。
六角形の基板からは2本のフラット・ケーブルが伸びていた。1本は、本体下側に位置するメイン基板につながっている。もう1本は、小さい基板につながっていた。この小さい基板には、「コ」の字の空いた部分が上を向いたような部品が搭載されていた。
取り外した外側の半球を見ると、内側に樹脂で歯が形成されていた。この構造を見てピンときた。「たぶんロータリー・エンコーダだ」。光を一定間隔で遮る円盤と光電素子を使って、回転情報をデジタル情報として取り出す装置である。外側の半球をはめると、ちょうど歯がコの字型の部品のところを通るようになっている。コの字型の部品は、発光部と光電素子にちがいない。
六角形の基板には、Atmel社のAVRマイコン「MEGA328P」が搭載されていた。このマイコンでロータリー・エンコーダの処理を行っているようだ。
(その4に続く)