LED基板(左)と、その光を外部に表示するための導光部品。
LED基板(左)と、その光を外部に表示するための導光部品。
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電源基板の下に位置していたステレオ・アンプ基板。
電源基板の下に位置していたステレオ・アンプ基板。
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その3から続く)

 Nexus Qの上半球と下半球の間にはリング状の四つの部品が組み込まれていた。一番上に位置していたのがボールベアリングだ。樹脂のフレームの間に金属製のボールが埋め込まれている。音量ダイヤルがスムーズに回るようにするためだろう。

 音量ダイヤルの役割を果たす半球の内側には、リング状の金属の重りもはめ込まれていた。その3で説明した樹脂製の歯の奥にある、グレーの帯状の部分だ。音量調整の際に、ユーザーが適度な慣性を感じるようにするものだと考えられる。これらの工夫により、ユーザーが音量ダイヤルを回した時に、少なくとも「安っぽい」と感じることはなくなっている。個人的には「高級感がある」とまでは言えないと感じたが。

 その下には、複数のLEDの発光を、外部に対して均一な光に見せるための導光部品があった。その下に、LEDを搭載した基板が位置していた。その下は、リング状の金属フレームである。LED基板などをしっかりと固定するためのものだろう。

 LED基板には、32個のフルカラーLEDが搭載されていた。Nexus Qでは、操作に応じて、球を取り囲む発光ラインの色が変わったり、ゆっくり明滅したりする。その動作をこの基板で実現している。

 次いで、下半球の分解に取り掛かった。電源基板を取り外すと、いくつもの大型コンデンサを搭載した基板が現れた。この基板には、米Texas Instruments社のオーディオ・パワー・アンプIC「TAS5713」が搭載されていた。

 本体後部のスピーカー端子にケーブルで結ばれていることから、ステレオ・アンプ基板だと考えられる。専用のアンプ基板を用意するとは、ずいぶん音質にこだわりがあるようだ。この端末で聞く音楽は、スマートフォン向けのMP3ファイルのはずだが。

その5に続く)