箱を開けると球状の本体が現れる。Apple社の製品パッケージの演出を意識している印象を受ける
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凝った形状の本体端子と付属するHDMIケーブル
凝った形状の本体端子と付属するHDMIケーブル
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HDMI経由でテレビに接続すると、「ようこそ」を意味する言葉がさまざまな国の言語で順番に表示される
HDMI経由でテレビに接続すると、「ようこそ」を意味する言葉がさまざまな国の言語で順番に表示される
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専用アプリをインストールしたAndroid端末がないため「ただの光るオブジェ」と化したNexus Q
専用アプリをインストールしたAndroid端末がないため「ただの光るオブジェ」と化したNexus Q
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 衝撃的なニュースが飛び込んできた。米Google社が家庭向けインターネット端末「Nexus Q」の発売を無期延期したというのだ(米Thomson Reuters社による報道)。Google社は当初、2012年7月中旬に同製品を発売すると発表していた(Tech-On!の関連記事)。報道によると、購入を予約していたユーザーには「プレビュー版」を無償提供するという。

 実は、日経エレクトロニクス分解班では、2012年7月5日にNexus Qの実機を入手していた。同年6月27~29日に開催された開発者向け会議「Google I/O 2012」には参加できなかったものの、同会議の参加者に無償で配布されたNexus Qがオークションに出品されていたのを発見し、落札していたのだ。

 Google社が初めて発売する家庭向けの据え置き型端末であり、まずは使い勝手を調べたい。そう思い、とりあえず電源コードをつないでみた。球状の本体を取り囲むように配置されているLEDが青く光り、なかなかおしゃれな雰囲気だ。

 付属するHDMIコードの本体側端子は、ぴったりはめ込めるよう凝った形状になっている。HDMI経由でテレビに接続すると「ようこそ」と表示された。ただ、これだけでは何も操作できない。どうやら、Nexus Qを利用するには、専用のアプリケーション・ソフトウエア(以下、アプリ)をインストールしたAndroid端末が別途必要なようだった。

 Google社のコンテンツ配信基盤「Google Play」で検索すると、Nexus Qの専用アプリが見つかった。Android 2.3以降を搭載した端末で動作すると記述されている。そこで、手元にあった「Galaxy Note」にインストールしようとしたが、どうやってもインストールできない。インターネットで調べてみると、どうやらAndroid 4.1を搭載したタブレット端末「Nexus 7」かスマートフォン「Galaxy Nexus」でしか動作しないようだった。「表示に偽りあり」である。

 日経エレクトロニクス分解班では、Nexus 7も入手予定だった。ただし、Google I/Oで参加者に配られたものではなく、2012年7月中旬に米国で発売された製品版を日本に送ってもらう手はずになっていた。実際にNexus 7が届いたのは同月25日。Nexus Qは、それまで分解せずに塩漬けになっていた。ただの「青く光る置物」だったのだ。

その2に続く)