(分解その4)
ここまでは、日経エレクトロニクス編集部だけで作業をしてきた。しかしここからは、助っ人技術者とともに分解を進めていく。
まずは3G通信モジュールに接続されている3本の同軸ケーブルを外す(図1)。次にメイン基板と両端の基板を連結している薄い金属板を取り外すことにした(図2)。技術者たちも、「基板を薄い金属板で連結させているのを見たことがない」と興味深げに見つめる。金属板を取り外せば何かわかるかもしれない。金属板を固定しているネジを外してみると、そこには金属パターンが見える(図3、4)。が、「んー、何でしょうねー」とやはり分からない。仕方がないが、詳細は後ほど調べることにしよう。
気を取り直して、薄い金属板を外し、右側の中型基板を取り出す。右側の基板の表には、各種ボタン用のスイッチなどがあった(図5)。
続いて、左側の中型基板に接続されている薄い金属板を取り外そうとするものの、メイン基板側のネジが隠れていて外せない(図6)。どうやら先に3G通信モジュールを取り除く必要があるようだ。同モジュールはネジ止めされている。ネジの頭を見ると、星型ドライバーで回る品種のようだが、普段見るものよりも小さい。そこで、我々の持つ星型ドライバーの中で、もっとも小さい「T3」タイプを利用してみるものの、ネジは回らない。大きいのだ。おそらく「T2が必要でしょうねー」(技術者)。いろいろ試してみたが、やはり3G通信モジュールを外さないと先に進めない。
このとき、「じゃあ、俺が行ってくるよ」とN記者が席を立ち、T2タイプのドライバーを探しに走った。後姿がなんとも頼もしかった。
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